排熱回収 廃熱利用熱交換器〔気体×気体〕〔気体×液体〕

排熱回収 廃熱利用熱交換器〔気体×気体〕〔気体×液体〕

化学や、製鋼など高熱を出す機械設備を持つ工場、ごみ処理場/下水処理の汚泥焼却設備など大型の焼却炉を持つ施設では特に排熱(廃熱)が多く、これらは今までにも熱エネルギー源として再利用を行ってきています。
排熱のなかでも特に300℃以下の排熱の利用は低く、ほとんど大気中に捨てられています。
昨今はエネルギーの有効利用の意識と実用が高まる気運となっていますが、エネルギー供給や産業生産過程で発生するは熱のほとんどはまだムダに捨てられているが実情です。
排熱回収は、対象となる設備でのシステムの構築、目的の達成、設備のコストなど、現実的な形にするまで非常に時間がかかります。
これらの問題をクリアし目的を達成するには一社だけでは難しく、エンドユーザー、設備会社、専門技術を持つ各メーカーの摺合せが必要となります。
技術の日本、モノづくりの日本という時代はすでに終わり、今は過去の遺産であると思います。
エネルギーの有効利用は、日本のモノづくりの本当の強みである【基礎技術を生かし知恵を出し形にして行く力】を試されるフィールドのひとつではないでしょうか。

上の写真は、ガス(気体)×ガス(気体)の熱交換器でプレート式と呼ばれるものです。
ダストの含まれないガス〜ガス式で熱回収を目的とした直交流・向流型の熱交換器です。
プレート式熱交換器は、縦と横を波状にプレスした2枚の金属板を溶接したものを1組とし組み合わせ、伝熱面積により何組も組み合わせ増やしていきます。
受熱側と放熱側のガス体は溶接により混同しない構造となっており、伝熱板の波型形状は熱膨張差にも考慮したものとなっております。

用途はボイラーの熱効率を高める為の熱交換器であり、ボイラーから出る排ガスの熱を再利用し、予熱された新鮮空気をボイラーに送り燃焼効率を高めるのが目的です。
空気予熱は燃焼効率を上げる為、燃焼システムに取り入れられ燃料費の抑制などの省エネに幅広く利用されている技術です。
下の写真は、工場設備内から出る温水を利用し、外気(空気)を暖め、生産ラインの乾燥工程に使用する熱交換器です。
目的を変えれば、工場の排熱を利用し温水を作ることにもなり、ボイラ給水の予熱、工場内の生活用水にも活用することが出来ます。
温水側は管内清掃がしやすいよう水室蓋(チャンネルカバー)を取り外せる構造となっています。
水室内は腐食対策として下地処理にスポンジジェットと呼ばれるブラスト処理を行い、特殊エポキシ樹脂をベースにセラミック等の補強材を配合した浸食防止塗装を行っています。

排熱回収 廃熱利用熱交換器〔気体×気体〕〔気体×液体〕

給水予熱器(エコノマイザー)

上記の燃焼空気を予熱するプレート式熱交換器と同様にボイラーの効率を上げるため、給水を予熱する装置に使用される熱交換器です。
シェル&チューブ型
写真はシェル部から抜き出した状態です。
チューブ側に水、シェル(胴)側に蒸気、または温水が通り温められた水はボイラー給水となります。